夢見る医者は オペ室に眠る

あれは最高のおっぱい

銀座の女

入り組んだ路地を進むと、
わずか10名ほどが座れる、
小さな鉄板焼の店舗が現れる。

カウンターの木製の椅子に腰掛け、
独り、一杯のビールを注文する。
隣の客のアワビが焼ける様子を眺めていると、
15分ほど遅れて、女が入店する。

真っ白の肌に、可憐な容姿。
頭からつま先まで静かに纏まっている。
4ヶ月前と、変わらない。

女は、自分を見つけると、
小さく手を挙げ、微笑んだ後、隣に腰掛けた。
一つ一つの仕草が、丁寧で、繊細だ。

ここ何年も、話せなくなっていた事に気付いた。
自分の本音を他人に伝える機会が無かった。
そういうものだと納得しようとしていた。

それが、この女は、するりするりと、
自分の本音を引っ張ってくる。

なんだか、夢を見ているようだった。
この感覚は、久しい。