夢見る医者は オペ室に眠る

あれは最高のおっぱい

最高のおっぱい

五番街のマリーへ

自分が悶々としている間にも、女は夜の街に繰り出し、知らぬ男と時を過ごしている。 かく言う自分だって、自分のコミュニティの仲間たちと、賑やかな生活を送っている。 お互いどう想っていようが、世界は何も変わらない。 でも、自分の世界の一角に、そっと…

銀座の女

入り組んだ路地を進むと、わずか10名ほどが座れる、小さな鉄板焼の店舗が現れる。 カウンターの木製の椅子に腰掛け、独り、一杯のビールを注文する。隣の客のアワビが焼ける様子を眺めていると、15分ほど遅れて、女が入店する。 真っ白の肌に、可憐な容姿。…

答え合わせ

突然、心の距離を感じた時期があった。定期的に来るメッセージも、パタリと止まった。職場の飲み会にも一切来なくなった。理由を聞くのもみっともないので、あえてこちらも詮索はしなかったが、なんとなく、予想はついていた。 それでも、3ヶ月もすると、少…

嫉妬だった

重い足取りで病棟に向かった。病棟は真っ暗なのに対し、ナースステーションだけが、白い蛍光灯に照らされ不気味に明るい空間を造っている。 夜中1時。ちょうど準夜勤と夜勤のナースが引き継ぎをしていて、少しだけ賑やかだった。 話しかけていたリーダーナー…

バイザヤード

女の腕時計が目に入る。カルティエのタンクフランセーズだ。小さな時計だが、文字盤のダイヤが、個室の照明を浴びてチラチラ光る。反対の手首にはティファニーのブレスレットが巻かれている。大きな胸の谷間の上に、チラリと見えるダイヤもティファニーか。…

あの日、部屋で

数年前。秋の静かな夜。突然、電話がかかってきて、相手の声は泣いていた。長年のパートナーに裏切られたと。そうか、パートナーいたんだっけと、その時になって思い出す。 間接光だけの暗い部屋。はらりと服を脱ぐと、大きな胸を包んだ下着が現れる。ちょう…

最高のおっぱい

ふとした瞬間に思い出す一夜がある。記憶を手繰り寄せて書く。独りバーで待ち続けた、春夜の話。 確か21時頃から独り店に入り、酒を飲みながら相手を待っていたけど、気づけばすでに22時半を回っていた。目の前には、二杯目のゴットファザー。アーモンドの甘…

財前五郎

執刀数1000件を目の前にして、成長を感じているとか、確かな自信が付いたとか、そういう事はなくて、正体のわからない漠然とした不安を感じている。友人たちが、それぞれの道で成功しているからか、それともここ最近、 救命困難な症例が続いたからか。 少し…