夢見る医者は オペ室に眠る

あれは最高のおっぱい

安楽死との違い

いつの話だか。
研修医の頃だから、遥か彼方昔。
ずっと大切に担当していた若い患者が、
ついに治療に耐えかねて鎮静を希望された。
癌の肺転移だから、苦しくて苦しくて仕方なかったと思う。
鎮静開始の指示を出す事に、悩みは無かった。
今まで散々向き合ってきたので、
希望したらすぐに鎮静を使おうと思っていた。

でも、鎮静って、それつまりトドメを刺すわけで、
鎮静開始したら、そのまま心停止まっしぐらって事も知っていた。
で、それを知りながら、鎮静を開始して、
僕はそのまま他の患者の手術に入った。
そしたら、患者は手術中に亡くなった。

当時の青い自分は、「外科医って虚しいな」と思った。
今自分は外科医をやっている。