夢見る医者は オペ室に眠る

あれは最高のおっぱい

レンズ越しの後ろ髪

基本的には一人が好きだけど、
定期的に友人がうちに遊びに来る。
綺麗に掃除したテーブルも
几帳面に揃えた小物も
みんな荒らして帰っていく。
翌日、独り、また元通りにする。
それも、悪くない。

同世代の男が遊びに来ると、
好きなものを食べて飲んで、
最高にくだらない話ばかりで盛り上がる。

若い女が来ると、
カッコつけた話なんかして
時には一緒に風呂に入ったり寝たりして、
翌日目が覚めて後悔する。

先日、看護主任が遊びに来た。
主任としては若いけど、歳は知らない。
人懐っこくて、妙に幼く見える。
散々酒を飲んで、気づけば深い時間になっていた。
彼女は、一人ベランダに出て、
冷えた風にあたりながら、
街の夜景を見下ろしていた。
その姿が、妙に大人で、色っぽかった。

棚に眠っていた一眼レフを手にとって、
開放させたレンズ越しに、
一枚シャッターを切ってみた。
酔いのせいで、意図した写真が撮れない。
全体がボケて、本人もブレている。
一番見たいところも、
ほとんど画角に入っていない。
まさに、自分が見ている景色だった。

気づいたら、自分はソファーで寝ていて、
もう帰るねと起こされた時には
すでに2時を回っていた。

部屋は、綺麗に片付いていた。