夢見る医者は オペ室に眠る

あれは最高のおっぱい

自分の為なのです

バタバタと患者が死んでいった悪夢期間が一段落し、
最近は、病棟も外来も落ち着いてきている。

「医者の生きがいは、患者からの感謝だ」
なんて誰かが言ってるのを聞いて、
そんなの綺麗事だろ、と思ってた。
でも実際に、外来患者に
「先生のお陰です」
「しつこく検査してくれてありがとう」
なんて言われると、
心から医者になってよかったと思う。

そんな感謝があるから、
「こんな検査オレに必要だったのかよ」
「無駄な検査して病院は丸儲けだな」
なんて憎まれ口を叩かれても、自信を持って
「必要です。絶対にあなたの為になっています」
と言える。
こちらが自信を持って応えると、患者も
「あ、そうなの?」みたいな顔して納得してくれる。

検査は、受けてほしい。
でも、受けてほしい人間に限って、受けてくれない。
痛い目を見るのは自分だぞ、と言いたいが、
一番凹むのは、誰でもない私なのです。